なぜ違う?羽毛ふとんの価格

質の良いダウン
質の良いダウン

羽毛ぶとんは軽くて暖かく、肌添いが良く、しかも管理が楽です。

 

しかし、価格は1万円未満から、150万円以上と大きな差があります。この価格の差は、主に次のような理由から生じています。

 

ダウン90%、スモールフェザー10%の同じ混合率でも、 産出国によって、かさ高がこんなに違う(1ケース1g入り)
ダウン90%、スモールフェザー10%の同じ混合率でも、 産出国によって、かさ高がこんなに違う(1ケース1g入り)

●羽毛(ダウン)の質で価格が違う

 最近は、ダウン90%以上の羽毛ふとんがほとんどですが、同じ混合率でもダウンの品質によって価格が違います。

 一般的にグース(ガチョウ)からとれた羽毛と、ダック(アヒル)からとれた羽毛では、グースの方がダウンポールは大きく、価格が高いのが普通です。

 質の良いダウンは、タンポポの綿毛のようなポール状の直径が大きく、密生の度合いが高いため(写真1)、空気をいっぱい含み、暖かく寝られます。逆に質の悪いダウンは、直径が小さくて密生の度合いが低く、形も不完全なため、暖かさが劣ります。さらに飼育環境や日数、飼料などにより品質に差が出てきます。 品質の・良し悪しを見分けるのは、かさ高が決め手となります。写真2のように、同じ重さでもかさ高が違います。ふんわりとかさがあり、手で押した後すぐに元に戻る羽毛ふとんが良質です。

 

●羽毛の産地や採取方法で価格が違う

 主な羽毛の産地は、ポーランド、ハンガリー、ドイツ、フランス、北欧、中国、台湾、北米やカナダなどです。 東ヨーロッパ産のグースやダックは体が大きいので、1つ1つのダウンポールが大きくなります。このため、一般に東ヨーロッパ産の羽毛が上質といわれています。一方、寒冷地で育った中国産にも非常に良質なものもあります。 羽毛はほとんピが機械で採取されますが、手摘み(ハンドピック)もあリます。手摘みはダウンを傷つけず、品質も一定になりますが、手間がかかるため価格も高くなります。手摘みの場合、「ハンドピックダウン」「ハンドプラッキング」などと表示されています。また、50万円以上の羽毛ふとんには、アイダーダウンという最高級の羽毛が使われていることがあります。


●羽毛の洗い方でも価格が違う

 採取した羽毛には、水鳥の血や肉、汚れがついているので、ふとんに入れる前によく洗わなければなりません。安い羽毛ふとんの中には、この洗いが不十分で悪臭がする場合があります。


●側地の質で価格が違う

 羽毛ふとんの側地は、綿ブロード、綿サテンが中心です。高級品にはスーピマ綿、エジプト綿などの超長綿、絹、新合繊(超極細ポリエステル繊維)などが使われ、これらの高密度織物は肌ざわりがよく、しなやかですが、価格も高くなります。


●売り方で価格が違う

 羽毛ふとんも、流通経路によって価格に差が出てきます。人件費を抑えたスーパーやディスカウントストアでは廉価品が多く、専門店やデパートでは、質のよいものがそろっています。

 

アドバイス

良質の羽毛ふとんを選ぶポイントは、

1.かさ高がある、
2.臭いがしない、
3.手で押してみるとすぐに元に戻る、
4.側地がしなやか、
5.羽毛の吹き出しがないなどです。

これらの点に留意して、価格の安さや色柄の好みだけで選ばないことが大切です。